適切なフィードバックで人を育てる:トークンエコノミーの原点とDAOと人格
最近、分散型自律組織(DAO)の構築を手伝うお誘いが増え、Web3.0について学ぶ機会が増えたため、高榮郁氏の『トークンエコノミービジネスの教科書』を読んでみました。
冒頭で簡単にトークンエコノミーについて触れましたが、本来トークンエコノミーは単にトークンをやり取りする経済圏というわけではなく、トークンを活用してコミュニティへの貢献を促すシステムで構築された経済圏です。
トークンエコノミーはもともと心理学用語で、望ましい行動を取ったときにトークンを与え、一定量貯まるとより具体的な報酬を与えることで、目標とする行動を強化していく方法です。
購買に対する報酬としてのポイントはイメージしやすいでしょう。
しかし、人間関係や組織運営において活用するとなると、簡単ではない側面があります。
トークンエコノミーは、NLP(神経言語プログラミング)では「フィッシュ」、アドラー心理学では「正の注目」と呼ばれており、いずれも望ましい行動を取ったときのトークンに相当します。
アドラー心理学には、「正の注目」と対になる「負の注目」が存在します。
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正の注目:適切な行動に対して関心を示すこと
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負の注目:不適切な行動に対して関心を示すこと
人間関係でトークンエコノミーを利用する難しさは、いかに「負の注目」を与えないかという点です。
相手の行動に関心を示すことは、それだけでその行動を強化してしまいます。
不適切な行動に対して叱る、禁止するなどの関心を示すと、相手はたとえそれが不快であってもその行動を繰り返すようになります。
アドラー心理学では、「負の注目」を避けるために「無視」を推奨しています。
もちろん、大きな不都合や危険な状況が生じる場合は介入が必要です。
それ以外の場合は、不適切な行動に注目を与えず、適切な行動を取ったときに「正の注目」を与えることで、望ましい行動のみを強化することが大切です。
しかし、これは言うは易く行うは難しいものです。
私も我慢しきれず、つい口を出してしまうことがあります。
注意されないからこの行為は許されるのだと、相手に思われてしまうことを恐れるからです。
また、「正の注目」を適切に与えること自体も難しい課題です。
「負の注目」を避けるために「無視」を行うものの、適切なタイミングで「正の注目」を与えられていないと、その行為が「負の注目」の対象だったと相手の無意識に思われる可能性があります。
適切に「正の注目」を行うことで、初めて「無視」が効果的になります。
わたしたちが「正の注目」を与える際には、気分や状況に左右されず、良いことは良い、悪いことは悪いと適切に判断し、適切な反応を取ることが求められるのです。
今日、あなたは誰に対して「正の注目」を意識して与えてみますか?
しかし、人間の関与しない「正の注目」には味気なさも感じられます。
誰もが、特定の人から褒められ、関心を持ってもらえることに喜びを感じます。
テクノロジーが進化することで、私たちの生活は便利になり、ミスが起こりにくい社会になっていく一方で、人間らしさを大切にすることも忘れてはなりません。
時代が変化し、AIがスキルやテクニックをベースにした仕事を置き換える中で、人間としての在り方がより重要になってきます。
私がお手伝いするDAOは、テクノロジーを活用して便利にしつつも、人間らしさを大切にしたコミュニティを目指しています。
変化が大きいほど、困難なチャレンジであるほど、『7つの習慣』の持つ意味も大きくなる
人格を育て、「正の注目」を他者に与えるためには、まず自分自身の中にしっかりとした軸が必要です。
変化の激しい現代において、『7つの習慣』を一緒に学び、新しい時代に向けて準備していきませんか?
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